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(記事紹介部分の「1 はじめに」より)
建築設備耐震設計・施工指針は1984年に初版が発行されて以来、改訂を重ね現在(2014年版)に至っている。この指針は大地震による被害調査等を受けて内容が見直されてきており、本指針の採用が設備被害の低減に寄与しているものと評価されている。ただし、この指針は設備機器等の支持・固定方法について規定するもので、機器本体そのものについてはその耐震性能を機器製造者にゆだねており、機器本体について特段の規定や考え方を示してはいない。しかし、地震被害事例を見ると設備機器の支持・固定はしっかり行われていても機器本体が破損した事例もあり、設備機器本体の耐震性能の在り方や耐震性能に対する情報伝達の在り方を調査し、その改善を促す報告書なども出ている。このようななか、現時点では、設備機器本体の耐震性能を試験したり性能表示することは、ごく一部の機器で行われているだけとなっている。
東日本大震災後、ビル建設にあたりBCP(事業継続計画)を重視する考え方が普及して、設備被害を物的被害あるいは人的被害といった面だけでなく機能維持という視点で考えることの重要性が高くなってくると、設備機器本体を含めて設備システムとしての耐震性能を考える必要性が大きくなってきた。また、講習会における建築設備耐震設計・施工指針に対する質疑の中にも、機器本体の耐震性能を規定したいがどのようにすればよいか、機器本体の耐震性能についてその耐震性能の確認方法を示して欲しい、といった意見がみられるようになった。
そこでそのようなニーズに応えて建築設備耐震設計・施工指針の考え方に沿った形で設備機器本体の耐震性能を確認、表示するための方法論をガイドラインと言う形で示すことにした。ただし設備機器には非常に多くの種類があり製造者により構造や構成が異なることもあるため、ここでは耐震性能確認の基本的方法を示し、機器の特性に応じた詳細についてはこの基本ガイドラインに基づいて製造者団体等が機器や機種に合った方法を考えるものとした。
参考書籍 建築設備耐震設計・施工指針 2014年版(こちらは紙書籍で販売しております)